ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

ライブレポート

関西ライブ〜プロローグ〜

12日に京都に帰って、その日の夜は父と二人でいきつけの小料理屋さんで食事をしました。こっぺ蟹、生湯葉蒸し、ずいきの胡麻和え・・・など、おいしいお酒を飲みながらゆっくり父とひさしぶりにおしゃべりしながらの晩御飯。夏には肋骨を折りそれが肺に刺さって肺気胸になり、「ワシはもうアカンかもしれん・・」と弱音をはいていた父もすっかり元気になり、お酒をおいしく飲めるようになるまで回復!
食事のあとは、これまた父のいきつけの祇園にある「カラオケバー」へ。カラオケボックスではなく、カラオケバー(笑)。お店の常連さんたちとも意気投合し、父はみんなから拍手喝采をあびて上機嫌。常連さんの日本画家の先生と一緒にきていらしたお弟子さんが、偶然父の大学時代のサークルの後輩ということが判明し、昔話に花が咲きました。
それにしても、人生というのはおもしろいなぁ、とつくづく・・・
実は、4年前、父がくも膜下で倒れるまで、私は父とはあまり上手く付き合えなくて、会ってもほとんど二言三言会話を交わすくらいだったのです。それが、父の病気を境に父との距離がぐっと近づき(病気のあと、父がなぜかすごく優しくなったこともありますが)、また特に今年はライブで帰ることが多く、歌好きの父も毎回ライブに来てくれたりして、父は父でリハビリで始めたカラオケで頭角を現し地域のカラオケ大会に出たりして、それを私が聴きに行ったりして、歌をとおしてより父との距離が近づいた、そんな一年でした。
もし、父が病気になっていなければ、もし、私が歌を歌っていなければ、今、こうやってカラオケで一緒に楽しい時間をすごしていなかったんじゃないかな、なんて、思いながら、こういうすばらしい時間が持てたことをこころから神様に感謝しながら、楽しい祇園の夜はふけてゆきました。

(2008.11.20)