ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

amar(愛すること)はsofrer(傷つくこと)

秋も深まり、人恋しい季節・・・
ぬくもりが欲しい季節になってきました。
この間、知り合いのブラジル人女性が「amarはsofrer」だとつぶやきました。
う〜ん。
確かに。
恋って始まってしまうと、その瞬間から苦しみも始まるかもしれない。
心の平安は保てなくなりますよね。
相手が自分のことを好きだということが明らかにわかる間はいいけど(笑)、関係が安定してきたり、何度かデートして少し相手の気持ちが落ち着いてきたとき、メールの回数ががそれまでにくらべて少なくなったりしてきたら、今度は逆に「あれ???もしかして、嫌われた???」なんて思い始めて、頭の中でいろんな二人の会話を思い出して、悪い方向に考え始めたりして。
いつの間にか追いかけられてたのに、追いかけてたりしてね。
そうなると、sofrerの始まりです。
相手への気持ちが深くなればなるほど、楽しいこともうれしいことも、苦しいことも悲しいことも増えてきます。
こんなことなら、恋なんてしたくない。なんて思ったりしてももう遅い。しちゃった恋はそんなにすぐに後戻りはできないもの・・・

「あなたは私のやすらぎを奪って、私の心の平安を奪ったわ。あなたと一緒にいると私は傷つく。でも、あなたがいないと私はもっと傷ついてしまう。この思いはもう愛ではなくて、情熱でもなくて、苦しみだわ・・」という最近お気に入りのサンバの歌詞を聴きながら、恋する感情って国籍問わず同じ気持ちなんだなぁ、なんて、あらためて思いました。

でも、つらい恋でもそれでもやっぱり恋をしていること自体が素敵なことのような気もします。
だって、恋ってたぶん人間にしかできないことだから。
動物の本能+αが恋という感情なのだと思います。

秋は恋の季節。
どんどん落ちてしまいましょう(笑)
人間の特権を多いに使って・・・・・
心の痛みは心のヒダ。
愛して、傷ついて、豊かな人生送りましょう。
一度っきりの人生なんだから。

(2007.10)