Happy end
映画は圧倒的に洋画が好きです。
映画に非日常を求めているからだと思うけど。
そんな私が久々にDVDで邦画を見ました。
「お父さんのバックドロップ」(原作中島らも)。
プロレスが好きなわけでもなく、宇梶剛士さんが好きなわけでもないのに、あらあら不思議、どんどん引き込まれて、最後には泣いてしまいました。なじみ深い大阪弁だったから、よけいにかもしれないけど。
途中、プロレスのシーンがいっぱいあって、クライマックスの場面はずいぶん前に見た「ミリオンダラーベイビー」を思い出してしまう場面があったりするんだけど、最終的には対照的で「あ〜。私はハッピィエンドが好き」としみじみ思ったのでした。
たとえば、本を読み終わったとき、映画を見終わったとき、「えええええええ!なにこれ!!!時間返してほしい!!」と思うより、ほのぼのと幸せな気分になり、読み終わったり、見終わったりしたあともしばらく余韻をかみ締める・・・そのほうがいいに決まっているもの。
ところで、”ハッピィエンド”といえば、普通の恋愛映画は、白雪姫の昔から、恋人同士が結婚する、っていうところで終わりますよね。
めでたし、めでたし・・
そのあと二人は幸せに暮らしました・・・
でも、実際の人生にはその後があるわけで・・・
恋人同士にとって結婚はエンドではなくて、スタートで、本当のエンドはお互いが別れるときじゃないかなぁ、なんて思います。
それは、もしかしたら、喧嘩別れかもしれないし、どちらかの死であるかもしれない。
でも、どんな形の別れであれ、出会えて、一緒にいられて、本当によかったなぁ、と思えるような、ハッピィエンドで別れたい・・・・
まあ、恋人との付き合いだけに限らず、とにかく「人生」というドラマの最期の瞬間に「楽しかったなぁ、幸せだったなぁ」と思えるようにこれからも生きていきたいなぁ、と思います。死んでしまったら自分で余韻は感じられないけど、周りの人に幸せの余韻を残せるように・・・
そういえば、この映画の原作者中島らもさんはお酒が大好きだったのですが、酔っ払って階段から落ちて亡くなりました。これも一種のハッピィエンドではないかな、と私は思います。
(2007.09)