ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

大丈夫!

この間、リハをしていて、
「ブラジル人ってかなり広い範囲で認めてくれるよね〜。」って話になりました。
『「これでいいの?」って思っても、「大丈夫、いいんだよ、それで。それはあなたにしか出来ない音の出し方だから」って言われてね・・・』
これはあるギタリストがショーロの大御所のギタリストに言われた言葉。
私の接するブラジル人もみんなこんな感じかも。
もちろん「ここはこういう風にしたら感じが変わるよ」とか、リズムが出やすいように発音を直してくれたりするけど、基本的には「大丈夫だよ!歌いたいように歌いなさい。それがあなたの歌なんだから」という姿勢。
日本人はとかく「こうしないとダメ。これはこうあるべき」って思うけど。
最初から×をつけていくのではなく、○をつけていくっていう感じかなぁ。
この間見たブラジル映画、「This is bossa nova」でも、メネスカルが言ってたなぁ。
「ジョビンは絶対に×をつけない。もっとこうしたらよくなるということを気付かせてくれるように上手く言ってくれる」と。

Yesから始まるんですよね、たぶん。

「障害を受けてから自分に「ダメ」印を刻んでしまい、行動範囲をせまくしていたけれど、奄美の方にそれを「大丈夫」と言われて夢のような気持ちです。海とか、、、、泳げるのかな?香良子さん、人って「楽しめる」生き物なのね。」

これは、この間、奄美に一緒に行った友人からのメールにあった一文。
彼女は結局、シュノーケルを楽しみ、ヨットを楽しみ、奄美を満喫してきました。
もし、「大丈夫」という言葉がなかったら出来なかったいろんなこと。
NOから始めるのではなく、Yesから始める。
ブラジルの人たちと奄美の人たちって似てるなぁ。

まず、「大丈夫」。
そして、その次は出来ることからリストアップしていく。気付くと、出来ないと思い込んでいたことまでできるようになっている・・・

「大丈夫!」という言葉は不思議な言葉。
不安な気持ちのときに、「大丈夫だよ!」と力強く言われると、本当に大丈夫になったりするものね。

ポルトガル語で「大丈夫」は”nao tem problema”。
ブラジル人がよく使う言葉。
直訳すると「何も問題はない!」
ほんとうは結構問題あることが多いんだけど(笑)、でも、最初っから問題ばかりをあら探しするより、問題なんてなんにもないよ〜、とりあえずやってみようよ!っていうほうが、人生楽しく生きられるような気がしませんか?

人生は楽しまなくっちゃね♪

(2007.08)