ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

かけがえのないもの

中学生の時、休み時間に友達とぼーっと校庭ですわっていたら、突然、校長先生が横に座って「君たち、かけがえがない、って英語に訳すとなんていうか知ってるかい?」と質問されました。
校長先生に話しかけられる、なんて、突然の出来事におどろいてしまい、「え?」と聞き返したら「かけがえがない、っていうのは、”the only one”なんだよ」という答え。

あれからずいぶんと時が経つのに、この状況と言葉だけは鮮明に覚えています。

かけがえのないもの=かわりのないもの。
っていうことは、やっぱりたった一つの大切なもの。
”the only one”

年を重ねるごとに、自分にとってのかけがえのない人はどんどんふえていきます。
家族、仲間、友達・・・
自分にとってかけがえのない人達がいるということは、自分も誰かのかけがえのない人であるということ。
そして、それはみんなに言えること。
だから、自分を大切に生きていかなきゃダメなんですよね。
自分を大切に、というのは、利己的に、という訳じゃなく、いつも元気で幸せでいられるように自分を愛おしむということ。
それがすなわち、自分のことをかけがえがない、と思ってくれている人にたいする感謝の気持ちじゃないかな・・・
と、書きながら自分に言い聞かせています。
日頃の不摂生を反省しつつ(笑)

ところで、校長先生がいいたかった、かけがえのないものっていうのは、なんだったと思いますか?
それは・・・地球!
“The only one earth”
本当にたったひとつしかない、とっても大切なもの。

そのときには気付かなかったけど、本当に素敵な言葉を先生は教えてくださったのでした!

(2006.10)