エンディング
演奏の打合せをするとき、どうしてもきめなければいけないのがエンディング。
これがあやふやだと、曲自体があやふやになってしまいます。
終わりが大事。
終わりよければすべてよし!
映画でも小説でも、途中がすごく面白かったとしても、最後が「???」だと、面白かった部分まで半減するような気がしませんか?
やっぱり終わりは大事!
でも、その終わり方にもいろいろあります。
たとえば、映画。
いきなり終わるのとフェイドアウトするのと。
この間見たフランス映画は、突然唐突におわりました。
え?って感じ。
で、終わってから、しばらく、「・・・・」。
でも、それが結構いい余韻を残してくれて、よかったのです。
余韻が大事。
音楽に限らず、人との関係も余韻を残す終わり方をしたいと思います。
関係を終わらすというと「愛人関係を清算する」みたいだけど(笑)、そうではなくて、たとえば、ライブにきてくださったお客様をお見送りするときとか、友達と「じゃあ、またね」と別れるときとか・・・
それもある意味「そのときの関係」の終わり。
音楽も人も一期一会。そのときはもう二度と戻ってこないのだから、せめて余韻を残したい。
美しい字を書くには、一画目を書き終わったらその気持ちを二画目につなげて、そして二画目を書く、と聞いたことがあります。気持ちをつなげる。余韻を残す・・・
美しさのうしろには余韻があるのですね。
何かが相手の心にとどまる、そういう美しいエンディングをこころがけて。
でも、恋だけは、唐突に終わるとつらいですね。
「えっ???」のあとの「・・・・・」は余韻ではなく、呆然・・・
まあ、これも、あとになってみたら、せつなく美しい余韻になるのかもしれません。
(2006.09)