ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

テーマは愛

久しぶりに、映画を見にいってきました。
歌手ジョニーキャッシュの伝記。
一番身近な愛する人である兄弟を、子供の頃に亡くしてしまいトラウマとなるところや、ドラッグに溺れてしまうところ、そして結局は愛に救われるところなどなど、“Ray”によく似ていたけど。
心に深い傷があるから魂の叫びのような音楽が作れて、心に深い傷があるからドラッグに溺れて・・・
でも、その苦しみは最終的に愛によって癒される・・・

ポルトガル語にはcarinhoという言葉があります。
私が大好きな言葉。そして、たぶん、ジョニーが必要としたであろう言葉です。
訳すと、情愛とか、愛情。
男女の激しい愛ではなく、いとおしむ気持ちっていう感じ。
人の心を救うのは、このcarinhoじゃないかと思うのです。
自分が大切に思われていると感じられるとき、人は幸せを感じ、寂しさから救われる・・・。

ところで、「愛」の反対語って何だと思いますか?
「無関心」なのだそうです。
それを初めて聞いたとき、ドキッとしました。
確かにそうです。「無関心」でいられるのは、とってもつらい。
でも、関心を持つのと干渉するのは別。干渉は愛ではなく、干渉する側の欲。
干渉をしないで、いとおしむ。
それが、carinho。
とかく男女間では、愛するが故に干渉して、うまくいかなくなることがありますが(笑)

愛。
生きていく上で一番大切なもの。
この間見た映画、「ラブアクチュアリ」も、愛がすべてを救うっていう映画だったなぁ。
見終わったとき、心が愛で満たされて幸せな気分になりました。
私はこういう映画が好きだなぁ。

ポカポカした春の陽ざしのなか、愛についてちょっと考えた昼下がりでした。

(2006.04)