ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

Se Deus quiser!

ブラジル人がよく使う言葉にSe Deus quiser !という言葉があります。
日本語に訳すと「もし、神がお望みなら!」って感じかな。
私:「また、明日ね!」
友達:「もし、神がお望みなら!」
というふうにも使ったりするんだけど、私はこういう会話に少々違和感を感じていました。
本当のこというと、ブラジルにいる間ずっと、この言葉を聞く度に「そんないいかげんなことでいいの??自分の確固たる意志はないの??」って思ってたんだけど(笑)。
でも、今日、たまたま「マザーテレサの言葉」を読んでいて、こんな言葉を見つけて、う〜ん、なるほど・・と納得しました。

「無理なことをどうこう思い悩むのは無駄なことです。できないことは神様がお望みでないのだと思いなさい」

ね!
できる、できない、は神様のおこころにかかっているのです。
だから、「神様がお望みなら」という言葉は、理にかなっている・・・。
「明日のことなんて誰にもわからない。もし、明日も元気で、あなたに会うことが神の意志なら会えるでしょう」という深い意味があったわけだ・・・笑。

それはさておき、私たちはとかく、「どうしてもこれをやらなきゃ」とか、「なんでこんなに一生懸命やっているのに、できなかったんだろう」とか、自分を追い込んじゃうことがあるけど、こういう言葉を聞くと、肩の力が抜けて、ほっとしますよね。
一生懸命いろんなことをするのは大事。それに、努力が報われる日は必ずくる。
パスツールも、「幸運は準備された心に訪れる。」と言ってるらしいから。
でも、全てがいつもうまくいくわけじゃないから、そんなときはこの言葉を思い出して、ちょっとヒトイキ。
それにしても、おそるべしブラジル人!彼らはマザーテレサの言葉を聞くまでもなく、ずっとそういう精神で生きていたのですね。

そういうブラジルでできた音楽だから、ボサノバを聴くと肩の力が抜けるのかな。
あ〜、いつかまたブラジルに行きたいな。リオの海岸、波の音とアイスキャンデー売りの声、車のクラクション・・・あのいろんなものがひとつに溶け合ったブラジル特有の空気に包まれて、カイピリーニャが飲みたいなぁ。
“Se Deus quiser !”
神様。どうぞよろしくお願いしま〜す!(笑)

(2006.02)