ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

馬の角

出来上がったCDを聴きながら、
「ここがイヤ!」「ここが嫌い!」「あー、ここも気に入らない!」
って言ってたら、「君は馬のツノをさがしてる・・・」とプロデューサーのヴァスコに言われました。
馬のツノ?
そう、「本当はないものを一生懸命さがしてる」って。

はじめて聞きました。
おもしろい表現!
おそるべしブラジル文化!
なるほど、そういう表現のしかたがあるのか・・・

あらさがし、とか、重箱のすみをつつくとか・・・
日本語ならそんな感じかな。
でも、馬のツノをさがすほうがイメージしやすくていいですよね。

本当はないものを、一生懸命探す・・・まったく時間と労力の無駄です。
とはいえ、日常的に結構やってます。私の場合。
実はペシミストなのかな(笑)

ヴァスコはこういう私の性格を「君は魚座だから」と星座のせいにします。
これもブラジルっぽいかも。
日本人ならさしずめ「あ〜、A型だからねぇ」っていいますよね!

おもしろいと思うのは、どこの国でも表現の違いはあっても同じようなことを考えるってこと。
(といっても、私の場合、極端に日本とブラジルだけを比較してますけど・・・)
占いを信じたり、ある行動に対してそれを戒める言葉があったり。
しみじみ人間って肌の色や文化の違い、言葉の違いがあっても、究極のところでは一緒なんだなぁって思います。
たぶん、どんな国の人でも1人1人の心の底では同じことを同じふうに感じるんじゃないかな、と思うんだけどなぁ。
それなのにどうしてテロなんてあるんだろう・・・

な〜んてことを友達と居酒屋さんで話しながらメニューをみてたら、「無角牛のステーキ」っていうのがありました。
ツノのない牛・・・。
ってことは、もしかしてツノのある馬も本当はいるのかも!?

(2005.11)