ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

レコーディング その2

このシリーズはブログ風に・・・・・

9月17日、第2回目のレコーディング。今回は自由が丘のスタジオ。
どんなところかわかってるから(笑)、かなり余裕で、100%楽しみでスタジオにむかった。
自由が丘でバスコとエンジニアの健さんと待ち合わせて、一緒にスタジオへ。
今回もちゃんと時間通りにバスコは来てくれた。それだけで感激する私・・・・

スタジオには、前回アシスタントをしてくれた男の子が待っていてくれて、さっそく準備開始。
その間に、ギターの木村純さんと、今回録音する4曲についての最終打ち合わせ。
そして、レコーディング開始。前回は仮歌をいれただけで、演奏だけを録音したのだけど、今回は4曲のうち2曲、歌も録音した。

前回分の歌を火曜日に大磯のバスコの家でみっちり練習したとき、さんざん発音を直されたけど、また今回もしっかりたっぷり直されちゃった。
いや〜、発音は難しい・・・

ポルトガル語の母音は日本語のようにア、イ、ウ、エ、オの5音じゃなくて、同じa,e,i,o,uの中にもいくつも音がある。
間違いなくoは2種類あるんだけど、かなしいかな大人になるまで日本語で育った私の耳は母音のチャンネルが5つしかなくて、なかなかうまく発音できない。
何度もバスコに“nao!”(カタカナで書くと、ナォ〜ン。でも、これも鼻音で、日本語にはない発音)といわれ、何度もやり直して、やっと”OK!“の声。
ほっとヒトイキ。・・・でも次にできるかどうかの保証はどこにもない(笑)。
純さんがずっと一緒にいてくれたのだけど、歌いれが終わってブースから出てきた私に、「今の、どこがちがうかわかんないね〜」って。
きっと、周りの日本人は同じ感想だったと思う。

バスコがそこまで発音にこだわるのは、発音ひとつで音の響きが変わり、リズムも変わってくるから。
ボサノバはブラジルの音楽でポルトガル語にのってできた音楽だから。
「君は日本人だから、僕らのようには発音できないけど、でも、可能な限り近づけたいから、がんばろうね」っていうバスコの熱意に応えられるよう、全身を耳にしてバスコの発音を聞いて、喉、鼻、口、顔ぜ〜んぶ使って発音する私。
これから長丁場だけど、がんばるぞ!

そして、18日。
朝からまた「電車でいける私のブラジル」大磯へ!
一日、バスコに特訓してもらう。
今回CDに入れる曲は、何度も何度もライブで歌ってきた私の好きな曲ばかり。
数え切れないくらい歌ってきたのに、歌い流してたんだなぁ、ってつくづく思う。
もちろん、そのとき、そのとき、気持ちを込めてうたってきたけど、録音することによって、初めて自分の歌と正面から向き合えた気がする。
まるまる一日特訓を受けて、ぐったり疲れた私。
でも、バスコはもっと疲れてるはず。
ありがとう、バスコ!

今回のCD制作にあたっては、本当にいろんな人にお世話になっている。
みなさんの好意の上になりたっている作業。本当に私は幸せだなぁ、って思う。
だから、私は今の自分の力を100%出し切って、いい歌を歌わないと!
と、いいつつ、今日から、このいそがしい最中にハワイに10日間も行ってしまう私。
みなさんの好意の上に。。。なんて言っておきながら、張本人がいなくなってしまっていいのかな(笑)。
でも、ハワイで波の音を聞きながら、いっぱいエネルギーを吸収して、歌の練習ももちろんいっぱいしてくるので、みなさん大目にみてください!(と、どこまでもみなさんの好意に甘える私・・・笑)

とにかく次のレコーディングがいまからとっても楽しみ!!

(2005.09)