ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

形のかわるもの

台風の日。
小雨の降るなか、波打ち際にたち、寄せては返す波をぼーっと見ながら、「なんか海をみてるとほっとする・・」ってつぶやいたら、「火もそうだよ。キャンプファイアーの炎。」と、同じようにぼーっと海をみながらギタリストの小泉さんがつぶやきました。
どうして、水とか火とかみていると心がなごんだりするんだろうね、って2人で話していたら、「それは、水も火も形がかわるからです」と神のような言葉が・・・。

「都会に住んでいると、目に入ってくるもののほとんどが形の変わらないもの。
たとえば、建物とか車とか・・・。
だから、そんななかで形の変わるものをみると心がやすらぐのです。
自然のものはなんでも形が変わるからね。
人は自然に触れることによってほっとするのです。」

というのが、神さま・・・じゃなくて、今回館山のライブを企画してくださった主催者の方のお話。
なかなか深いですよね。

そうか。形がかわるのは自然の摂理なのか・・・・
氷も溶けて水になるし、蕾もふくらんで花が咲くし。
草木も芽生え、繁り、やがて枯れていく・・・。

そういえば、愛の形も時間が経つにつれて変わるものね。炎のようなものなのですね。
勢いよく燃えるときもあれば、消えかかる時もあり、ゆらゆら燃えるときもある。
それはしかたないことなのですね。それが自然。

あ、そうそう。私たちが年齢を重ねて、姿形がかわっていってしまうのも当然自然の摂理。
これもしかたないことなのです。自然なこと。
でも、これは自然に逆らって、自分で努力をしないといけないらしい。

「その二の腕はなんとかしたほうがいいよ」
これは、ライブが終わってからの神(?!)の言葉。
「え・・・。これも自然なんだけどなぁ。さっきの話しとちがうじゃな〜い。これは人をなごませないの???」
と小声で文句をいいながら、でも激しく反省して、大好きな揚げ餅(これだけが原因じゃないとは思うけど・・笑)をこれから食べないゾと堅く心に誓ったのでした。

がんばって美しく形を変えてみせるぞ〜!!

(2005.06)