ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

ほろほろ

「ほろり」という言葉からイメージするもの。
涙がほろり。
口の中で熱々のぶり大根がほろり。
そして、熱燗でほろりと酔っぱらう・・・

とってもやわらかい言葉ですよね。
まあるくて、ふわふわしている感じ。
新聞を読んでいて、ふと目についた記事にこんなことが書いてありました。
「ある国語学者によると、今昔物語集に登場する擬音語・擬態語のうち半数は現代まで継承されており、ほろほろもその一つだそうだ。この種の言葉が表現する感じは九百年間かわっていないという」
なるほど、900年か・・・・
そういえば、祖母が炒り卵のことを「ほろほろ」と呼んでいました。
ふわふわの炒り卵。たぶん、昔っから、そういう風に呼んでいたのでしょうね。
スクランブルエッグと呼ぶよりも情緒があります。

ほろ〜り、ほろほろ。
柔らかくて口の中にいれたら、ほろほろと溶けていくような。
私もそういう歌が歌えるとイイな。
やさしくて、せつなくて、ちょっとはかなげで、それでいて色気のある歌。
さむーい夜に、ほろ酔い気分になれるような、ふわっと体があたたまる、そんな歌。

ほろほろ、ほろ酔い・・・
あ、なんだかお酒が飲みたくなってきたゾ。
まったり、ほんわり、ふんわりした気分になりた〜い!