ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

O amanha 〜明日〜

15歳のころ、明日が来るのはあたりまえだと思っていたし、そんな時間の積み重ねで20歳になったらおばさんになるんだと思っていました。
20歳になったとき、もちろん自分はおばさんにはなってなくて(笑)、まだ明日がくるのはあたりまえで、早く好きな人をみつけて結婚したい、と、結婚がゴールだと思っていました。
30歳のとき、ブラジルに行って、私の人生に対する考え方が大きくかわったのですが、でもまだ明日は普通にやってくるとおもっていました。
40、50、60と歳を積み重ねて、しみじみ今思うことは、明日何が起こるかわからないということと、人生は一度っきりなんだ、ということ、そして、結婚はゴールではなく(笑)、人生のゴールなんてないんじゃないかなということ。
今日と明日。明日とあさって。
その繋がりで人生は進んでいきます。

繋がりといえば、人生というものは人と人との出会いで成り立っていっているように思います。この人に出会わなければ、この人にも出会えず、その人に出会わなければ、今、私がこうしてここにいることもない・・・なんていうことがいっぱいあります。
その出会いも「明日」があるから、続く・・・・
私が15歳だったとき、45年後にこんなこと(笑)をしているなんて思ってもみませんでした。毎日、「明日」が来る幸せ。その今日と明日の繋がりで、そして人と人とのつながりで、こうして今日も好きな歌を歌える幸せ。
人生って本当にどうなるかわからない。明日何が起こるかわからない。
だから、今を大切に生きること、今、周りにいてくれる人たちに感謝をすることが大事。
そして私は・・・・
明日がちゃんと来るように(笑)、毎晩祈りながら眠りにつきます。
朝が来てちゃんと元気で生きていられることに感謝して一日を始めます・・・

サンバの名曲、“O amanha”は最後にこんな歌詞で終わります。
“o meu destino sera como Deus quiser”
「私の人生は神様の思うままに」

神様、どうか、明日が毎日(笑)無事に来ますように・・・・

(2019.04)