ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

褒める

だれかに褒められるって、すごくうれしいですよね。
「どっちかというと苦手なタイプ」と思っている人にでさえ、褒められたらうれしい。
突然その人のこと好きになっちゃったりしてね。
自分があこがれてる人とか、尊敬している人とか、目標にしている人とかから褒められたら、それはもう舞い上がってしまう!
それも、だれかと比べるんじゃなくて、自分の良さを認めてくれたら本当にうれしい。

“diferente” 
英語ではdifferent
日本では「出る杭」が打たれたり、他人と違う=かわってる、っていうふうに、「異なる」っていう言葉にはあんまりいいイメージがないけど、ブラジルでは”diferente”はほめ言葉です。
たとえば、Tシャツとかにしても、みんなと少しちがったものを着ていると“diferente!”といってほめてくれます。
「かわってるね」っていうより、「いいね!それ」って感じで。

他人と違うところ、というのはすなわち個性。そして、個性というのは、とても大切なもの。その人にしかないもの。たぶん、つくるのではなく、もともともっているものに磨きをかけてできあがるもの。

個性って、実は自分ではなかなかわからないけど、他人が感じてくれるものなのかも。
褒められて初めて自分の個性に気づくのかもしれません。
アーティストと呼ばれる人たちが個性的でオリジナリティがあってそれを発揮できるのは、それは自己愛が強くて自分の感性を信じているから、自分の個性が何かを自分でわかる人たちだからなんじゃないかなと思います。
でも、個性はアーティストだけのものじゃなくて、だれでもみんな自分にしかない良さを持っているのです。
あたりまえのことだけど。

それにしても、素直に人を褒められる人って、すごいですよね。
人間だから、だれでもいいところも悪いところもあるけど、そのいいところをちゃんと見て、それを口に出してちゃんと言えて、そしてそれによって言われた人を幸せな気分にさせるのだから。
褒められた人は、自分の個性に気づいて、その後はその個性に磨きをかけてより輝ける・・・

私もそういう人になりたいな。
自然に素直に人を褒められる人に。
もちろん、たまには誰かから褒めてもらいたいけれど。それもたっぷりと(笑)