ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

還暦までカウントダウン!

50代最後の誕生日を迎えました。
なんか自分が60歳を目前にしているというのが信じられない。
まあ、いろんな体の衰えを鑑みると、それなりなんだなぁと思いますが(爆)。
すごいですよね、60年って。
生まれてから、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と京都で過ごし、結婚して東京に来て、子供産んで、育てて、ブラジルに行き、そこで音楽と出会い、帰国後は歌を歌っている・・・
小説でいえば、第一章が京都での私、第二章が東京に来てからブラジルに行くまでの私、第三章がブラジルでの私、そして第四章が帰国後歌を歌うようになった私。
それぞれの章の私は、同じなんだけど全く違う・・・・
思い返してみるとおもしろい。そしてやっぱり60年は長いなと。
あ、まだ60年たってないけど(笑)。
思えば、私はずっと自分に自信のない人間でした。
今でもそうだけど(そうはみえないかもしれないけど・・・笑)。
でも、ブラジルに行ったことが、私の人生を劇的に変えてくれました。
それは、ブラジルで自分を見つめなおすチャンスがあったから。
そして、歌う、ということを始めたから。

「自信」という言葉が、「自分を信じる」という意味であれば、私は歌うことで自分を信じる力が少しだけできたように思います。
たとえば、真珠貝の中で、「核」が「真珠」になっていくような感じ。
ブラジルにいたときに、私の体の中に、「歌」という「核」が入り込み、それが時間をかけて大きくなり、いまは、「真珠」のような宝物になっている・・・
その「核」のおかげで、私は自分を少し信じることができるようになったと思います。

そして、その真珠=歌のおかげで、私はたくさんの方とご縁をいただき、またご縁をいただいたおかげで、いろんな新しい世界をみることもでき、人生が豊かになりました。
今、私がこうして幸せを感じて生きていられるのは、ブラジルで歌に出会えたこと、そして大勢の方のサポートで歌を続けられているからだと思っています。

先日観た映画、「シーモアさんと大人のための人生入門」の中では、シーモアさんにとっては人生=音楽。私も音楽に出会えた幸せな人間の一人として、もっともっと音楽に真摯に向き合い、歌えることに感謝して、還暦までのカウントダウン、これから一日一日を大事に大切に過ごしたいなと思いました。
これからも「核」を育てつつ、でも「自信過剰」にはならないように注意しながら(笑)。

いつも応援してくださる皆様、サポートしてくださるミュージシャンの皆様、そして文句も言わず(笑)、支えてくれる家族に感謝、感謝、感謝・・・

大声で叫びたい気分です。
私の人生を変えてくれたブラジルに”ありがとう”!
音楽に出会えたことに”ありがとう”!
そして、出会えたすべての人に“ありがとう”!

(2017.02)