ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

薔薇

日比谷公園に薔薇が咲き乱れています。
そばを通ると、とってもいい香り。
しばらく立ち止まって、薔薇の香りに包まれてみる。
う〜ん、幸せ。

真っ赤な薔薇の花束は求愛の印。
黄色の薔薇はジェラシーを表すとか。
そして、青い薔薇は昔からみんなが作ろうとしてどうしても作れなかった色。
英語の辞書で「blue rose」と引くとそこには「不可能」とかかれているらしい。
でも、このあいだ、遺伝子組み換え技術を使って、青い薔薇が現実のものに!!!
日本の飲料メーカー(サントリー)がつくったんですって。
薔薇の栽培って5000年も前に始まったようですが、5000年目でやっと出来た青い薔薇。
すごいですよね!どんな薔薇か見てみたい!

薔薇といえば、カナユニのテーブルにはいつも赤い薔薇が一本飾られています。
それには意味があるのです・・・・・

今から40年前、「生演奏をききながら、おいしいお料理が食べられる」そういうレストランを作ろうと思った若い音楽好きの青年が、ある時、すばらしい演奏をしているピアニストに出会いました。
そのとき彼が演奏していたのは「Red Rose for a Blue Lady」。
それはそれはすばらしい演奏だったそうです。
彼にぜひその新しいレストランで演奏をしてもらいたいと、その青年は売れっ子の彼と直談判しました。
レストランの構想を話し、熱意をわかってもらって、演奏してもらう約束をとりつけました。
その後、彼にもアイデアを出してもらって、ついに、カナユニが誕生。
そして、そのテーブルには、2人を引き合わせた曲にちなんで、いつも真っ赤な薔薇が。
そう、”Blue Lady” がいたらいつでも持って帰ってもらえるように・・・・・・

この話には素敵なおまけがあります。
実はステージのレイアウトというか、ピアノを置く位置にも彼の意見が取り入れられたそうです。
「自分はいままでにリクエストをいただいたお客様は全部覚えています。できれば、そのお客様がお店にいらっしゃった時にそのリクエストされた曲でお客様をお迎えしたい。だから、入り口が見える場所にピアノを置きたい。」という彼の希望が取りいれられて、カナユニのステージはお客様が入っていらっしゃるその場所になったそうです。
いままで、実は、なんて邪魔なところにステージがあるんだろう、って思ってましたが(笑)。

音楽でお客様をお迎えする。
すごく素敵なコンセプトですよね!
私もいつもそういう気持ちでステージに立とうと、改めて思いました。
たとえブルーな気分の恋人がいても、薔薇と音楽で機嫌良くなってもらえるように!

特別な夜を演出してくれるステキなレストラン--カナユニ--