ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

恋と嫉妬

ひさびさに友達から恋の相談。
「彼の過去にまで嫉妬してしまう私は嫉妬深すぎだよね。どうしたらその嫉妬から解放されるんだろう」って。

そういうのを、「さかのぼり嫉妬」っていうらしい。
私も昔はしてたかもしれないなぁ。
過去は変えられないのにねぇ。
過ぎてしまったことに嫉妬しても、するだけ自分が傷つくだけなのに。

でも、その当時のこと、よくよく考えてみたら、本当はさかのぼって嫉妬しているんじゃなくて、言葉の端々にその時に彼の気持ちが残っているのを敏感に感じて、それに嫉妬してたんじゃないかなと思います。
たとえば、何かを見たとき、そこから連想して過去のことを話す彼の言葉の端にその当時の彼女の影を見たときとか(笑)。

だからそれはさかのぼってるわけじゃなく、その時の彼の感情に嫉妬しているんだと思う。
要するに話をしている「今」に。
今は、私だけを見て!ってこと。
だから過去にまでさかのぼって嫉妬している異常に嫉妬深い女、なんかじゃなく、ただ、ふつうに嫉妬しているだけ(笑)。

男性は別れた女の人はいつまでも自分のこと好きでいると思い込む傾向があるらしいから(笑)、一瞬想い出に浸ってしまうのはしかたないことなのかもしれない。
男の人には頭の中にいっぱいフォルダがあって、それぞれのフォルダにはそれぞれの過去の恋が大切にしまわれていて、時々それを開けては鮮明に過去のことを思い出す・・・のではないかと推測します(笑)。
ある意味、ロマンチスト。
だから、何かのキーワードでポンとフォルダが開いちゃうとその中から当時の恋がフワーっとよみがえっちゃう。
まあ、しかたないことなのかな。
それがいやなら、恋愛バージンの男性と付き合うしかないわけだしねぇ。
でも、いまどき幼稚園児も恋する時代だから、いくら年下好きの場合でもちょっと難しい(笑)。

女性も、たとえば昔流行った音楽を聴いたり、懐かしい香りがしたりしたとき、ふと昔の彼のことを思い出すことがあると思うけど、好きな人の前では一瞬でも昔の彼との想い出には浸らない。いや、たとえ思い出しても過去は過去で気持ちは残ってないから、彼に対する感情が戻ることはない。
ような気がするのは私だけ?(笑)

ということで、これは今の彼の感情に”かわいく嫉妬”しているだけで、それだけ彼の心に敏感であるってことだから、そこから解放される方法は別に探さなくてもいいんじゃないかな、と。

もし、またそういうことがあったら、「バカだなぁ、男って。その彼女はもう、とっとと別の人とシアワセに暮らしていたりして、あなたのことなんか忘れてるのに。今の私の気持ちを大切にしてくれないと、私も別のフォルダにはいってしまうよ!」って思えばいいんじゃないかな(笑)。
という返事をした私。

まあ、なんにしても、嫉妬できる相手がいることは素敵なこと。
傷ついても苦しんでも恋はできるうちにいっぱいしたほうがいいと思います。

たとえ、さくら組の○○ちゃんまで、さかのぼって嫉妬しちゃってもね!



(2012.07)