ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

Agua de beber 〜おいしい水〜

この間、友達が富士山に登ってきました。
すっごく辛かったけど、すっごく楽しかったから、今度はお鉢参りをするとはりきってました。
私には、できないなぁ。
想像するだけで息が苦しくなってくる・・・・

富士山といえば、8つ泉があり、昔から「神の泉」と崇められているとのこと。
富士登山は無理でも、この「神の泉」のうち一つだけでも行ってみたいな、と思います。
その泉の水は、さすが霊峰富士の胎内からうまれるだけあって、それはそれはキレイな水らしいのです。
高地に降り積もった雪がとけて、溶岩の間で約80年間もの歳月をかけて地下水として濾過された澄み切った水。
う〜ん、想像するだけでありがたい気持ちがしてきた!

雨が降り、土にしみこみ。
長い年月をかけて、地層を通り抜け。
熟成され、いろんなミネラルを含み。
そして、おいしい水がうまれます。
硬い水、柔らかい水、甘い水、氷のように冷たい水・・・・

そして、水は人のこころを癒します。
人は昔、魚だったし、赤ちゃんの時は羊水の中で生活しているから、たぶん「水」に癒されるのだと思います。
雨音を聞いているとこころが洗われていくような気分になったり、水面に映る月を眺めながらお酒を飲んでると、乾いた土に水がしみこんでいくような潤いを心に感じたりするでしょう?

人生においての、雨とは、いろんな経験なんじゃないかなと思います。
楽しいこと、悲しいこと、うれしいこと、いやなこと、すべてが経験という雨なんだと思います。
そして、その雨は心というフィルターをとおして、いろんな水に生まれ変わるのでしょう。
たまには、涙となって流れ出してしまうこともあるけど。

何事も経験。
やってみないとわからないことがいっぱいあります。
それが、結果としてうまくいかなかったとしても、いつの日か心の中にきれいな泉となって湧き出ることでしょう。
私もこれから、いっぱいいろんな雨を浴びていきたいと思います。
柔らかくて甘い水のように、みなさんのこころを潤わせることができるような、そんな歌が歌えるように・・・。