手のひらのぬくもり

手のひらにはすごく不思議な力があるような気がします。
エステでマッサージをしてもらいながら、ふとそう感じました。
あの微妙なあたたかさ。ぬくもりっていうのかなぁ。

そういえば、小さい頃、おなかが痛くなったりしたとき、痛いところに母が手をかざしてくれるだけで、あたたかくなって、痛みがやわらいだ記憶があります。
おにぎりだって、なぜかわからないけど、手でちゃんと握ったおにぎりは中になにもはいってなくってもすっごくおいしいし。
好きな人の手に自分の手をかざすと、さわらなくってもぬくもりが届いて、それが嫌いな人だとぬくもりは届かないって前に聞いたような気もするな。
ま、嫌いな人の手に自分の手はかざさないとは思うけど。
やっぱり、人にはそういう力があるのですね。
機械や道具をとおさないから、伝わる力みたいなのが。

最近、遅ればせながら気づいたこと。
それは、歌にしても、楽器にしても、マイクを通さないナマの音が一番すばらしいってこと。
マイクを通さないですばらしい演奏をするには、もちろんかなりの技術、才能、努力が必要だけど。今まで、マイクに頼りすぎていた自分を省みて、いつかマイクなしで、ちゃんと響く声で、語りかけるように歌うライブができればいいな、と思います。
ぬくもりをそのまま伝えられるように。

(2003.6)