ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

悩み

10代には10代の悩みがあり、20代には20代の、30代には30代の悩みがあり、10代のときには想像も出来なかった30代の悩みも、50代になってみると「そんなことで悩んでいたこともあったなぁ」ということになったりするのですよね。
おもしろいなぁ。
今、悩んでいることも、何年かたったら、そういう風に思うんだろうなぁ、と思うと、今の悩みがどうってことないように思えるけど、でも、やっぱり、悩みは悩み!
その都度、大きく心の中を占領してしまいます。

昨日、友達からメールが来ました。彼女は30歳。
30歳・・・そういえば、私はその歳でブラジルに行ったんだったなぁ、と思いながら、その頃の自分を振り返ってみました。
彼女は、自分の今までしてきたことがなんとなく一人相撲のような気になっていて、これからの人生が見えないと、徒然なるままメールに書いていました。

そういえば、私もずいぶん、ひとりで空回りしている時期があったなぁ。
なんか、自分がサークルを走っているねずみのような気分で。
一生懸命走っているのに、まったく前に進んでなくて・・・
焦燥感というか、一体どうすりゃいいのよ!感というのが常にあり、挙句の果てには、自分が一体なにをやりたいのか見失ってしまう・・・
そんな時期が、思い返せばずっとあったような気がします。

でも、いつも何か自分のしたいこと、というのが漠然とあり、それに向かって走っていたような感じがします。それは昔はなんとなくモヤモヤと明確なものじゃなかったのですが、走っているうちに、いろんなことにつまづきながらも走り続けているうちに、私の場合は、歌というとっても明確なものになってきました。
でも、今でも、歌、ブラジルの歌、というところまでは明確になったけど、一体どんな歌が歌いたいかが明確じゃなくて、中途半端。そんな自分がいやで、なんとか「私はこれ!」といえる歌を歌えるようになりたい、と思って、今も走り続けています。

継続は力なり、とよく言うけど、本当にそうだと思います。
続けていくことで、身についていくものもあるし、明確になってくるものもあるし。
一見、まったく繋がっていないようなことでも、意外と繋がっていたりするし。
だって、同じ人間がやっていること(自分がやっていること)なんだから、必ずなにか共通した思いがあってやっているはず。

そして最近になって思うこと。
今までやってきたことが、ジグソーパズルのばらばらのピースだったのが、少しだけ形になってきたような気がしています。まだまだ全体の大きな絵にはなってないけど。

私が彼女の年齢だったとき、20年後の私は想像もつかなかったし、これから20年後の自分も想像はつきません。
昔ある人に、「悩んでもしかたないよ。考えることが大事。悩みを悩みと思わないで、考えるという方向にかえてごらん」といわれたことがあります。そのときは、「無理・・・。だって悩みは悩みだもん」と思っていたけど、今思うと本当にその通りだなと思います。
「悩み」を「考える」に変えて、いろんなこと考えながら走り続けていくうちに、ジグソーパズルの絵は少しずつ部分部分で完成してくるんじゃないかなと思います。

彼女の20年後が楽しみです。
そして、20年後の私も。
「80になったら、こんな悩み、たいしたことないと思えるようになるはず」なんて思いながら、70歳になっても、まだまだいろんなことで悩んでたりするかもしれないけど(笑)。

(2009.10)