ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

円山に花が咲いた・・・

私の実家では、家族で食事中とかに、不適切な言動があった場合、よく父や母が「円山に花が咲いたそうな・・・」と言って、話題を変えていました(笑)。
なんか今から思うととっても京都らしい優雅で茶目っ気のあること。
あと、お客様がいらっしゃる前には必ず玄関に水をうったり、夏には襖を御簾に替えたり・・・・
そういうこまごまとした他人を気持ちよくさすもてなしのこころや、季節を感じる心を、私はひきついでいないことに気付きました。

新しい年になって、今年はどんな一年にしよう、と考えたとき、ふと何気なく母がしていた日常の小さな心配りを思い出しました。
自分はもちろん、周りの人たちも気持ちよく毎日を過ごせるよう、そんな一年にしたいな、と。
家の中も心の中もこまめに掃除をし(笑)、春夏秋冬を楽しみながら、心豊かに過ごしたいなと思いました。

たまたまつけたテレビで、あるお寺の100歳を超える住職さんが、「社会が暗い今、明るくするのはひとりひとりです。ひとりひとりの心が明るくなれば、ひとりひとりが心に灯をつければ、社会は明るくなるのです」とおっしゃっていましたが、本当にそうですよね。
まずは自分の心に灯をつけて、そして周りの人たちの心にも灯をつけていければ・・・

いろんなことに感化されやすい私。昨日の住職さんのお話を聞いて、すっかり自分まで悟ってしまったような気分になっていますが(笑)、でも、幸せのハードルを低くして、小さなことでも幸せを感じられる心を持ち、そのことに感謝しながら、気持ちよく日々を過ごし、また穏やかな心で周りに気遣いができるよう、いつも心に明るい灯をともしながら、今年一年すごしたいと思っています。

円山の桜のように、今年も心に美しい花がいっぱい咲きますように・・・

(2009.01)