ボサノバシンガー 田坂香良子 -KAYOKO TASAKA-

コラム

嫉妬

「嫉妬というのは、あらゆる争いの元だと思う。小さな喧嘩から戦争にいたるまで。だから、僕はできるだけ嫉妬心を表に出さないように生きてきたし、これからもそう生きていきたい。」
と言ったのは昔大好きだった人。
誰からも愛されて、慕われてた彼。
もうこの世にはいないけど。

そういうふうに生きたい!と、お守りのように彼の言葉を胸にしまっている私。
でも、嫉妬心というのは人間である以上あるのは当然で、これを表にださないように生きていくのはとってはとっても大変なことです。
じゃあ、嫉妬するのはどういうときか。
恋愛関係においては嫉妬心は愛情の裏返し。
好きな人が他のコト(人も含む)に気を取られてると嫉妬してあたりまえ。
度を超してはいけないけど、これはしかたない。
では、それ以外というと・・・

たぶん、自分がしたいのに出来ないことを、自分とそう能力の違わない(と自分が思う)人がしてる時。
自分が苦労してもなかなか手に入らないものをやすやすと(と自分が勝手に思いこんでる)手に入れてる人が身近にいた時。
そういうとき、そういう人たちに嫉妬心を抱くのだと思います。
でもね、同じことでも、相手が「突き抜けた人」なら、その人に対しては嫉妬しない・・
そう思いませんか?

私には今、その「突き抜けた」タイプの友達がいます。
そして、ブラジル音楽、特にショーロをこよなく愛するシンガーなんです。
彼女はショーロの女王と呼ばれる歌手アデミウヂ・フォンセッカ(83歳)の居場所を自力で半年かけて探し当てました。
なんとか連絡を取り、電話口でその女王に自分の歌を聴かせ、自分がどれだけショーロと彼女を愛してるかを伝えました。
そして、単身でブラジルに渡ってしまうのです。
アデミウヂのところにホームステイをして、3ヶ月の滞在期間中、なにをするにもずっと一緒。
体当たりでいろんな経験をしてきたという、情熱の人。
片山淑美ちゃん(HP:http://www.h6.dion.ne.jp/~choro443/)です。

彼女の情熱と行動力はすごい!の一言です。
そういう情熱と行動力を持っているヨシミちゃんのことをうらやましいとは思うけど、嫉妬はしない。
それはやっぱり、到底自分にはかなわない何かを持っていると思えるから。
それが「突き抜けてる」ってことなのでしょう。

突き抜けた人。いいですね。
そういう人は嫉妬されないし、たぶん、他人に嫉妬もしないのでしょう。
いいなぁ〜、そういうの。なんで、彼女はそうなの?
ん???あれ???これって、もしかして・・・・・

嫉妬?!